農業用微酸性電解水の基礎と使い方|効果の根拠・散布技術・生成装置・導入事例を整理

微酸性電解水は、pH5.0〜6.5ほどの穏やかな酸性で次亜塩素酸を含む水で、農業では葉面散布や施設の衛生管理に使われています。ただし、農業で特定農薬として認められている電解次亜塩素酸水とは規格が違い、微酸性電解水の装置なら何でも同じように使えるわけではありません。この記事では、定義と制度上の位置づけ、効果の根拠、散布の技術、装置と費用、事例を、確認できた範囲と確認できなかった範囲を分けて整理します。

目次

微酸性電解水とは?農業における基礎知識と注目される背景

微酸性電解水は、塩酸などを電気分解してつくる、pHが中性に近い次亜塩素酸の水です。食品の殺菌では以前から使われてきましたが、農業では特定農薬としての電解次亜塩素酸水と混同されやすい面があります。ここでは、微酸性電解水の定義、特定農薬や有機JAS、みどりの食料システム戦略との関係、強酸性やアルカリ性との違いを、公開されている規格と資料にもとづいて説明します。

微酸性電解水(ピュアスター水等)の定義・特徴(pH5.0〜6.5と次亜塩素酸の殺菌力)

微酸性電解水は、2002年6月に「微酸性次亜塩素酸水」として食品添加物の殺菌料に指定された水です。国際農林水産業研究センター(JIRCAS)の成果情報は、低い有効塩素濃度で高い殺菌効果を持つ、安全性の高い殺菌料として利用されていると説明しています。pHは5.0〜6.5で、この範囲では殺菌力の主役である次亜塩素酸が多く含まれます。有効塩素濃度は資料によって記載が異なり、ホシザキの微酸性電解水生成装置VOX-40TAは10〜80mg/kgです。

ピュアスターは、森永乳業が自社工場の衛生管理のために開発した微酸性電解水生成装置のシリーズで、1996年から工業向けに販売され、2002年の指定を受けて本格展開されました。農業向けの販売元であるアクアクラブ(八木春)は、ピュアスター水のpHは6前後で、葉焼けなどの心配はなく残留もないと案内しています。これは販売元の説明で、「人や作物・土壌への影響がほとんどない」といった表現も、第三者の検証で裏づけられたものではありません。

特定農薬(特定防除資材)指定と「有機JAS・みどりの食料システム戦略」での位置付け

農業で特定農薬に指定されているのは、2014年3月28日の告示による電解次亜塩素酸水で、範囲は限定されています。塩化カリウム水溶液を有隔膜電解槽で電気分解した陽極側の水か、2〜6%の塩酸を無隔膜電解槽で電気分解して薄めた水で、pH6.5以下、有効塩素10〜60mg/kgのものです。有機JASでは、2017年3月27日の告示で、塩化カリウム電解の酸性電解水が圃場で使える特定農薬になりました。

ここで重要なのは、食品添加物の微酸性次亜塩素酸水と、特定農薬の電解次亜塩素酸水が、別の制度に基づく別の規格だという点です。たとえばホシザキの微酸性電解水VOX-40TAは、食塩水に希塩酸を加えて生成し、有効塩素は10〜80mg/kgです。これは、特定農薬の原料(塩化カリウムか塩酸)や上限(60mg/kg)とは一致しません。筆者の判断ですが、微酸性電解水の装置が特定農薬の規格を満たすとは限らないため、農作物への散布に使う場合は、製品が規格に適合するか、メーカーと都道府県の窓口に確認してください。

みどりの食料システム戦略は、2050年までに化学農薬の使用量(リスク換算)を50%、化学肥料の使用量を30%減らし、有機農業の面積を25%(100万ha)に広げる目標を掲げています(マイナビ農業の記事が農水省の資料として紹介)。電解水は化学殺菌剤を減らす手段として紹介されますが、今回確認した範囲に、戦略が電解水を名指しした記述は見つかりませんでした。

強酸性電解水・アルカリ性電解水との違いと微酸性ならではの強み

強酸性電解水は、pH2.7前後、有効塩素40ppmほどのものがあり、大阪府の研究機関などの試験で作物への散布が検討されてきました。農水省の資料の抜粋は、酸性の強い電解水で酸焼けが生じた事例があると注意しています。アルカリ性電解水は洗浄用の水で、殺菌が目的ではありません。微酸性は、その中間のpHで、酸焼けのリスクが小さいと説明されることが多い水です。

森永乳業は、微酸性電解水が肌や機材へのダメージが少なく、手荒れや錆の負担を減らせると案内しています。アクアクラブは、収穫中にも散布でき、実が汚れないと説明しています。ただし、特定農薬の規格に沿った酸性電解水を扱う伝農アシストは、苗に噴霧すると葉焼けが生じる場合があると注意しており、「葉焼けの心配がゼロ」と言い切るのは慎重にすべきです。作物と濃度、散布条件で試してから広げてください。

農業分野における微酸性電解水の主な効果と導入メリット

微酸性電解水に期待される効果は、病害の予防、耐性菌への対応、化学殺菌剤の削減、種子やスプラウトの処理、作業者の安全の五つです。ただし、公的な試験で確認されているのは一部だけで、強酸性の電解水の試験結果を微酸性にそのまま当てはめることもできません。ここでは、確認できた研究と、事業者の説明を区別しながら、各メリットの根拠の強さと注意点を順に説明します。

① 作物の病害防除・殺菌効果(灰色かび病・うどんこ病・炭疽病等)

公的な機関の試験としては、大阪府立環境農林水産総合研究所などが2013年に発表した研究があります。酸性電解水(遊離塩素40ppm、pH2.7)を使った試験で、イチゴの灰色かび病では無処理に比べて高い発病抑制効果が得られ、キュウリの炭疽病でも無処理に比べて被害を抑える効果がありました。ただし炭疽病への効果は、対照の化学農薬(TPN水和剤)より低く、薬害は認められませんでした。この研究の共著者にはホシザキ電気の所属者が含まれます。

この試験の電解水は強酸性で、微酸性ではありません。微酸性電解水で同じ作物と病害を試した公的な報告は、今回確認できませんでした。うどんこ病については、農水省の資料の抜粋でキュウリのうどんこ病が薬効の対象に挙げられていますが、これも特定農薬の規格の水についての記述です。電解水は作物に浸透せず、接触した菌に働く資材であるため、病気が進んだ株をなおす用途には向きません。

② 殺菌剤耐性菌(薬剤耐性)に左右されない持続的な防除効果

アクアクラブは、酸性電解水の殺菌の仕組みが複雑なため耐性菌が起こらないと説明しています。次亜塩素酸は菌の細胞の成分を広く酸化して壊す性質があり、特定の酵素だけをねらう化学農薬とは作用が違うため、耐性菌ができにくいと考えられています。

ただし、「起こらない」と断言できる公的な長期データは、今回確認できませんでした。また、効果が続くかどうかは別の問題です。電解水は残留しにくく、散布して数日たてば殺菌の効果は切れると考えられるため、「持続的な効果」とは、継続して散布することで安定させるという意味に近いものです。化学殺菌剤と交互に使う、散布の間隔を病害の発生状況で調整するといった使い方が現実的です。

③ 化学農薬(殺菌剤)の削減と消費者への「安全・安心」アピール

アクアクラブは、微酸性電解水の使用で化学農薬(殺菌剤)の削減につながり、消費者に安全・安心をアピールできると案内しています。ホシザキも、観光農園のいちご狩りなどで、農薬を使わないことをアピールしやすいと紹介しています。前回までの記事で紹介した千葉県の有機減農薬農家は、全作物に2週間おきに酸性電解水を散布し、10年以上土壌消毒をしていないと話しています(マイナビ農業のタイアップ記事)。

表示については注意が必要です。電解水を使っても、ほかの栽培で化学農薬を使っていれば「無農薬」とは言えません。「無農薬」「減農薬」といった表示は、特別栽培農産物の表示ルールとの関係で制限がかかる場合があるため、直売所などで使う前に、都道府県の担当窓口に確認してください(この点は今回、原文を確認していません)。

④ 種子消毒・発芽率向上とスプラウト等の生産性・生長促進効果

微酸性電解水とスプラウトについては、JIRCASの成果情報があります。有効塩素濃度10〜50ppm、pH5.5の微酸性電解水にブロッコリーの種子を3時間浸し、同じ水で8日間栽培した試験です。有効塩素40ppmで、抗酸化作用などを持つスルフォラファンの含量と、その合成酵素の活性が最も増え、表面に付く生菌数も初期腐敗の目安以下まで減りました。

一方、見出しにある発芽率の向上や生長の促進は、この成果情報では示されていません。むしろ、電解水で栽培したスプラウトは、水道水のものより生長が若干遅れたと記載されています。また、微酸性電解水は食品添加物にあたるため、最終製品にする前に洗い流す必要があるとも書かれています。「殺菌と機能性成分の増加には効果があるが、発芽率向上は確認できない」というのが、現時点での確実な言い方です。

⑤ 作業者の安全確保と軽装散布(防護服・手袋不要の「水やり感覚」)

アクアクラブは、散布は軽装でよいと案内し、ホシザキも特定農薬の規格の農業用電解水について、ゴーグルや手袋は不要で水やり感覚で散布できるとしています。ただし同社は、手荒れが気になる人には手袋をすすめています。森永乳業の事例では、手洗い用水をピュアスター生成水に変えたところ、手荒れをする人がいなくなったと紹介されています。

これらは事業者の説明で、すべての人に刺激がないという意味ではありません。高圧ミストなど細かい霧で散布する場合は、霧を吸い込む可能性があるため、マスクの要否をメーカーに確認してください。薬剤を扱う作業に比べて負担が小さいと考えつつ、保護具の要否は、装置の取扱説明書と散布方法で判断するのが安全です。

農業における微酸性電解水の効果的な使い方・散布技術

散布の効果は、濃度、頻度、方法で大きく変わります。電解水は時間がたつと有効塩素が減るため、つくってからすぐに使うことが基本です。ここでは、日常の葉面散布とハウス内の浮遊菌対策、高圧ミストによる自動化、収穫前後の使い方について、確認できた情報と、導入前に確認すべき点を順に説明します。

葉面散布・散水による日常的な病害予防とハウス内浮遊菌対策

アクアクラブは、ピュアスター水を葉面散布して葉や実に付いた微生物を殺菌し、ハウス内では浮遊菌対策もできると案内しています。特定農薬の規格の酸性電解水を扱う伝農アシストは、いちごのうどんこ病では、初期の白い斑点を見つけ次第、葉の表裏と周囲に噴霧し、週2回以上続けると拡散を防げると説明しています。

農水省の資料の抜粋は、電解次亜塩素酸水の有効塩素は時間とともに減り、亜塩素酸や塩素酸が生成されるため、使うたびに製造してすぐに使うよう求めています。タンクにためて長く置かないことが大切です。また、灰色かび病は多湿な条件で発生しやすいとされるため、散布後に葉が長時間ぬれたままにならないよう、散布の時間帯と換気にも気を配ってください。

高圧ミスト装置(微細噴霧)を活用した省力化・自動化防除

高圧ミストで微酸性電解水を施設全体に自動噴霧する方法について、農業試験場などの公的な試験報告は今回見つかりませんでした。メーカーの案内でも、ミスト噴霧の濃度、ノズル、圧力、頻度を示した資料は確認できていません。省力化の利点は大きいものの、効果を前提にせず、小さな区画で試す段階だと考えるのが妥当です。

導入前に確認する点は、粒が細かいと有効塩素が減りやすい可能性があること、配管やノズルの材質が塩素に耐えられること、施設内の湿度が上がって病気を助長しないこと、作業者が霧を吸い込まないことです。生成能力の面では、ホシザキのVOX-40TAが毎分約4リットル、1日約5.6トンですが、ミストの吐出量との関係は機種ごとに確認が必要です。

収穫前・収穫中の散布と収穫後の洗浄・予冷・衛生管理

アクアクラブは、収穫中にも散布でき、実が汚れないと案内しています。収穫後の洗浄では、微酸性次亜塩素酸水が食品添加物であるため、厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルが、次亜塩素酸ナトリウムと同等の効果を持つ殺菌剤の一つとして、次亜塩素酸水を挙げています。JIRCASの成果情報は、食品添加物の使用基準に従い、最終製品にする前に洗い流すよう注意しています。

有機JASとの関係では、ホシザキが、特定農薬の電解水を収穫後の殺菌に使った場合は有機JAS認証を取得できないと明記しています。有機の認証を受けている場合は、使う場面ごとに認証機関へ確認してください。予冷庫や製氷機の衛生管理への応用は、事業者が想定する用途ですが、機器の材質や塩素の影響を、機器メーカーに確認する必要があります。

農業用微酸性電解水生成装置の種類・仕組みと選び方

微酸性電解水の装置は、隔膜を使わず、塩酸などを加えて全量を微酸性にする方式が中心です。農業では、酸性とアルカリ性を同時につくる装置も使われるため、仕組みの違いを知っておくと選びやすくなります。ここでは、生成の仕組みと装置の構造の違い、ホシザキや森永乳業などの主要メーカーとシステム、導入費用と生成能力の選び方を、公開されている情報の範囲で順に説明します。

生成装置の仕組み(二室型・三室型・希釈不要の自動生成タイプ)

二室型や三室型は、陽極側と陰極側に分けて電気分解するため、酸性電解水とアルカリ性電解水が同時にできます。三室型は、中間の室で塩水を循環させて塩分の混入を防ぐ方式とされ、金澤工業のアクアプリータは三室型で、酸性とアルカリ性を同時に生成します。ホシザキの農業用ROXシリーズは、酸性側のpHが約5.0以下、有効塩素が10〜60mg/kgです。

微酸性電解水は、ホシザキの説明では、食塩水に希塩酸を加えて生成するため隔膜が不要で、できる水のすべてが微酸性になります。アルカリ性の水が出ないため流量が多く取れ、大量の食品殺菌に向きます。安定して生成するための電解液が用意されており、希釈の手間はありません。ピュアスターのMp-2500には、水素ガスセンサーと漏水センサーが付いています。塩酸を電気分解すると水素が出るため、換気や安全装置は確認しておくべき点です。

主要メーカー・システム(ホシザキ、ピュアスター、コイン式電解システム等)

ホシザキのVOX-40TAは、微酸性電解水(pH5.0〜6.5、有効塩素10〜80mg/kg)を毎分約4リットル以下、1日約5.6トン生成します。ただし主な用途は食品殺菌で、農業用として案内されているのは、酸性電解水のROX-30TC-A系です。森永乳業のピュアスターは、2017年に発売したMp-2500を、中食ベンダーや水産・農産などの6次産業向けとしています。

アクアクラブは、ピュアスター水の農業向けの提案に加えて、「コイン式電解システム」を紹介しています。3名以上の団体や生産者組合向けで、1人当たりの負担が少なく、地域の人が好きな時間に好きな量だけ取りに来られるという仕組みです。販売元の案内で、導入事例や費用の詳細は、今回の調べでは確認できませんでした。

導入コスト・ランニングコスト(電気代・塩酸代)と設備・水量の選定基準

ホシザキは、微酸性電解水は原料に希塩酸を使うため、酸性電解水より導入コストが高くなるとしています。具体的な価格、電気代、電解液や塩酸の費用は、公表されていませんでした。見積もりでは、本体、設置工事、電解液(原料)の継続的な購入費、電気代、水道代、保守費を、まとめて出してもらってください。

生成能力は、散布方法から逆算します。たとえば、毎分10リットルを吐出する動力噴霧機を使う場合(計算の例です)、毎分4リットルの装置では間に合わないため、貯水タンクを挟んで生成と散布を分ける必要があります。高圧ミストや自動潅水は、同時に使う系統の吐出量の合計と、散布する時間帯から必要量を出します。費用対効果は、削減できる殺菌剤の費用と散布の労力を、年間のコストと比べて評価してください。

【作物別・施設別】微酸性電解水の導入事例と実証データ

事例は、イチゴ、トマトなどの施設園芸、スプラウト、観光農園や有機栽培に分けられます。ただし、微酸性電解水そのものの事例は少なく、確認できた多くは酸性電解水の事例です。ここでは、使われている電解水の種類の違いを明記しながら、イチゴ、トマト・スプラウト、観光農園や有機農家の順に、確認できた内容と、見つからなかった内容を整理します。

イチゴ(灰色かび病・うどんこ病)における高圧ミスト・葉面散布事例

イチゴの灰色かび病に対する酸性電解水(強酸性、pH2.7)の防除効果は、前述の大阪府の研究機関などによる試験で確認されています。ホシザキのページには、イチゴでうどんこ病の防除に効果的で、農薬を使わなくて済むためイチゴ狩りの客に安全・安心をPRできるという生産者の声が載っています。これは特定農薬の規格の農業用電解水の事例です。

見出しにある、高圧ミストの導入で秀品率や収量が向上した成功事例は、今回の調べでは見つかりませんでした。薬剤耐性菌に悩むイチゴ農家への導入事例も、アクアクラブの導入事例ページは画像で構成されており、本文から内容を確認できませんでした。数字を伴う事例が必要な場合は、販売元に栽培条件と記録の開示を求めてください。

トマト・きゅうり・豆類スプラウト等の野菜・施設園芸での活用実績

トマトでは、筑波山観光農園が金澤工業の三室型装置アクアプリータを導入しています。地下水の除菌と活着の向上が目的で、酸性電解水で希釈した肥料を配管から散布しており、導入後約3年で、トマトの糖度が上がった、カビの発生が減った、廃棄量が減った、肥料のコストが大幅に下がったと紹介されています。これは装置メーカーの事例で、使われているのは酸性電解水です。

スプラウトでは、JIRCASのブロッコリースプラウトの試験が確認できました。キュウリは、特定農薬のうどんこ病と、前述の炭疽病の試験が根拠になります。微酸性電解水そのものを使ったトマトやキュウリの栽培事例は、今回の調べでは確認できませんでした。

観光農園・有機農家における安全・安心な営農スタイルの確立

観光農園では、ホシザキが、イチゴ狩りやブドウ狩りで「無農薬で安心・安全」と訴求でき、集客効果も高まると紹介しています。千葉県の有機減農薬農家の事例では、酸性電解水の散布で、ほぼ農薬に頼らない多品目栽培を実現していると紹介されています。

有機JASでの使用には、規格に合った資材であることが前提です。伝農アシストは、農業用の電解水は塩化カリウムを使うと定められていると説明しています。食塩を原料とする微酸性電解水は、この点で規格に合わない可能性があるため、有機認証を受けている場合は、使う前に認証機関に確認してください。「無農薬」といった表示の扱いも、前述のとおり事前に確認が必要です。

まとめ

微酸性電解水は、pH5.0〜6.5の次亜塩素酸の水で、食品添加物としての実績があり、肌や機材への負担が小さいとされています。一方、農業で特定農薬として指定されているのは、塩化カリウムか塩酸を原料とし、pH6.5以下、有効塩素10〜60mg/kgの電解次亜塩素酸水で、微酸性電解水の装置が当然に規格を満たすわけではありません。

公的な試験で確認できた効果は、強酸性の電解水によるイチゴの灰色かび病への防除効果と、微酸性電解水によるブロッコリースプラウトの機能性成分の増加、菌数の低下です。発芽率の向上、高圧ミストでの収量向上、耐性菌が起こらないことなどは、確認できませんでした。導入するなら、作物への散布に使えるか、有機認証に影響しないか、必要な生成量はいくらかを、メーカーと窓口に確認し、小さな区画で試すところから始めてください。

参考文献

この記事を書いた人:

精密農業編集部

運営:
株式会社ARIJICS(監修:有路友一) 
https://arijics.com/company/founder/

精密農業編集部は、農業の現場で起きる「うまくいかない」「判断に迷う」といった状況に対して、原因や条件を整理し、考え直すための材料をまとめています。

農家の方が自分の圃場や条件に照らして判断できるよう、事実・前提条件・注意点を中心に情報を構成しています。

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